日常の断片

雨 雨 雨

 そういえば子どもの頃は、家の中で聞く雨の音が好きだったな、と思う。

 2階で寝ていると、屋根を打つ音が近くに聞こえた。

 バタバタバタ、と打ちつける。
 ジョチョロロロ、と雨樋を伝う。

 明日は晴れるかな。
 ずっと降ってたら学校行くのめんどくさいな。
 うわ光った。1、2、3、4…5秒。まだ雷遠いな。
 だいじょうぶ。だいじょうぶ。

 家の中で、さらには布団にすっぽり包まって、濡れることなく聞き続ける雨の音。
 それは、その瞬間自分が温かく、安心な場所にいることを遠回しに教えてくれていたように思う。

 家の中で聞く雨の音が好き、というのは、穏やかで平和なことだと思う。

 今は、子どもの頃過ごしていた同じ家の中で、激しい雨の音を聞くと「雨漏り大丈夫かな…そろそろやばそうなんだよな……でも修繕費うん百万円なんてとても払えないし…どうかもってくれ…!」と切実な祈りが込み上げる。
 大人になるって、責任感が増えるって、ちょっと世知辛い。

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