昔ラジオで流れていてよく聞こえてきた「ZOO」という歌の「空を飛びたいペンギン」という歌詞がとても嫌いだったのだが……
と書き出そうとして、曲名と歌詞これで合ってるよなとぐぐったら、曲名は「ZOO~愛をください~」でいいとして、ペンギンにまつわる歌詞は「白鳥になりたいペンギン」と書かれていた。
えっ?? 「白鳥」なんて単語に聞き覚えがないのだが??? 白鳥になりたい、という言葉からは翼で飛べるから的な意味なのか、姿形的に白鳥が美しいといいたいのか、真っ白になりたいという色についてのことなのかどうとでも取れるが、その辺りで悩んだ記憶が一切ないわけだが??
当時、「ペンギンは空を飛びたいなんて羨んだりしない、水中であんなに美しく飛んでいるんだから!!」と鼻息荒く思っていた記憶はいったい???
人の記憶というのは当てにならない、とはよく聞くが、こんなにはっきりと歌詞を捻じ曲げた上で「嫌い」と思い込んでいたなんて、まったく恐ろしい。検索して、歌詞という証拠がバーンと逃げようもなく突きつけられたので「自分の記憶が…間違っていたとしか…言いようがない……」と項垂れるしかなかったわけだが、証拠がなかったら「絶対間違いない! だってラジオで何回も聞いたんだから!」と言い張っていたかもしれない。
なぜこうも過剰反応し記憶を捻じ曲げたかについてはおそらく、昔からペンギンが好きで、歌詞がペンギンを否定しているように思えたからだろう。
美しく、完成されたフォルムのペンギンを劣っているようにいわれたと思い込んだからだろう。
「ZOO~愛をください~」の歌詞にはたくさんの動物名が登場するが、「見てごらん よく似ているだろう 誰かさんと」「ほらごらん 吠えているばかりいる 素直な君を」とあるように、人間の心理を描いているのだと、ちゃんと読んでいればわかったはずなのだが。
「嫌い」という感情は強い。20年以上経っても(実はその出所が間違っていても)「この歌詞は嫌いだった」という感覚がはっきり残るほどに。
でもこの強い「嫌い」が生まれたのは「好き」という思いがまずあったからだ。
わたしは子どもの頃、水族館に連れて行ってもらうとペンギン広場からなかなか離れないほどだった。歩いている姿は可愛らしく、そして泳いでいる姿は美しい。あのギャップ。どれだけ見ても飽きることがなかった。
前世というのはあまり信じないタチだが(というより今の、この記憶がなければ「自分」ではないという感覚を持つ派)「あなたの前世は皇帝ペンギンのオスです。ハドル(集団)を作って温めあっていたのですね」とか言われたら信じるかもしれない、と思っていた時期がある(今ではだいぶその気持ちがなくなってきたので、前世皇帝ペンギン詐欺には引っかからない自信はそこそこある)。
「好き」は強い。この強さを、力にしていけたらと思う。